低コストの除菌液噴霧機開発 伊丹の「NDE」

フィルター製造の「NDE」(伊丹市)は、福祉施設や食品工場の出入り口で自社の除菌液を噴霧する機器を開発した。入場を検知し、頭上からタイミングよく適量を振りかける。伊丹市内の福祉施設が昨年末に導入し、「ウイルス感染の防止などにつながれば」と期待している。


 同社は数年前から、弱酸性の純水と銀イオンを原料とする除菌スプレーを製造。大腸菌や黄色ブドウ球菌などの滅菌効果を確認した。除菌液を加湿器のように噴霧する卓上機器も開発した。

 しかし、卓上機を出入り口に置いた場合、噴霧し続けると、多量の除菌液が必要になってコストがかさむ。そのため、出入り口の通行時だけ機能する製品がほしいとの声が上がった。

 同市の特別養護老人ホーム、伸幸苑と共同で昨年8月ごろから実験をスタート。入り口の風除室の天井にセンサーを据え付け、来場者を検知。天井に近い2・4メートルの高さに渡したパイプから除菌液を振りかける。通行時間に応じて噴霧量を調整し、むだを抑えた。

 NDEの除菌液は香料や薬剤を使わないため、液がかかった素材を変質させず、人体に影響を及ぼす心配もないという。加えて消臭効果も望めるという。