福島大:高濃度銀イオン水の美容液を開発 ニキビ予防、治療に効果

◇年内にも販売
 福島大学(福島市)は、高濃度の銀イオン水を使い、ニキビ予防や治療に効果がある美容液を開発した。防腐剤やアルコールは含まれず、肌に優しいという。年内にも発売する。

 開発したのは、共生システム理工学類の八代勉教授とゼミの学生4人。昨秋から、メッキ加工などの技術を持つベンチャー企業「テルフ」(群馬県太田市)から銀イオン水精製技術の提供を受け、商品化を検討してきた。

 県立医大(福島市)の協力で実験したところ、水の銀イオン濃度が10ppmを超えると強い殺菌効果が表れ、30~40ppmでニキビの原因となる「黄色ブドウ球菌」と「アクネ菌」がほぼ全滅することが分かった。

 美容液は30ppmに調整し、保湿効果のあるコラーゲンや、肌への浸透効果を高める低分子ヒアルロン酸ナトリウム、肌の引き締め効果があるクエン酸を混ぜた。銀イオンは刺激が少なく、アルコールや油などを使ったニキビ用クリームと比べて安全性も高いという。デザインや名称は未定で、60ミリリットル入り1000円前後での販売を検討している。

 八代教授は「これまでも銀イオン使用をうたった商品はあったが、濃度が低すぎるなど効果が怪しいものが多かった。今回の商品は万人にお薦めできる」と話している。【関雄輔】